ファッションアイテムとしての軍物のアイテムに興味を持ち始めて、ほぼ最初に知ったアイテムがサービスシューズ。
名前だけなら知っている方も多いのではないでしょうか?
見た目は、普通のオックスフォード型の革靴ですが、歴史背景を知るとその魅力がグンと上がります(軍だけに)。
この記事では、サービスシューズの魅力に迫るとともに、年代や見分け方について解説していきます。
サービスシューズとは

サービスシューズとは1940年代から1990年代にかけてアメリカ海軍で支給された軍靴のことで、特別な式典などの際に軍人がドレス・コードとして身につけるように支給されました。
一般的にはUSN(U.S.Navy)サービスシューズと言われることが多いです。

先ほども書いたように、見た目は普通のオックスフォードシューズですが、年代によってデザインが異なり、何足も買い揃えるファンがいるほど人気のある靴です。
「サービス」という名前は、国民からいただいているお金で働けているのだから、海軍の働き=サービス、軍・軍務という意味合いでの”service”などの由来があるようです。
厳密には、様々な国の軍隊でサービスシューズが支給されていました。中でもアメリカ海軍で支給されていたものが有名になり、サービスシューズ=U.S.Navyのサービスシューズというようになりました。
サービスシューズのサイズ展開は通常のUS表記に加え、それぞれに
- N(ナロー) =細め
- R(レギュラー) =普通
- W(ワイド) =太め
の3種類が設けられています。N(ナロー)、W(ワイド)についてはさらに細かくXN、XWというサイズもあります。
年代によって異なるデザイン
サービスシューズの魅力の一つは、作られた年代によってデザインが微妙に異なることです。
サービスシューズの年代を見分けるポイントは主に4つ。
- アイレット(紐を通す穴)の数
- ソールの素材
- ヒールのあて革
- アイレット下のステッチ
それぞれ表で見ていきましょう。

●1940年代…ヒールのT字のあて革とアイレット下のダブルステッチが特徴。ほとんど市場に出回らないためデッドストックはビンテージとして高い値が付くことが多い。
●1950年代…1940年代とはヒールのあて革が異なる。現在のサービスシューズでも用いられる尻尾型のあて革。アイレット下のステッチは1950年代〜1960年代前半までダブルステッチが用いられるが詳しい変更時期は不明のため、1950年代と1960年代の見分けが難しいこともある。
●1960年代…1950年代とほぼ同じデザインだが、1960年代後半からアイレット下のステッチがシングルステッチになる。
●1970年代…これまでと異なり、アイレットの数が5つとステッチを無くしたデザインになる。市場にも出回りやすく、比較的安い価格で手に入れられる。
●1980年代以降…アッパーのデザインはそのままに、ソールがレザーソールからゴムソールに変更される。雨天時にも歩きやすいので、機能性を重視する場合は1980年代以降がおすすめ。市場にも出回りやすい。
デザインの厳密な変更時期は不明のため、変更期などのサービスシューズはどちらの年代のものか判別が難しいこともあります。
個人的には1960年代後半から1970年代のサービスシューズが好きですが、それぞれに好きな年代のサービスシューズがあり、コレクターの間では何足も買い揃えている人もいるくらいです。
ぜひ自分好みのサービスシューズを探してください。
年代別のサービスシューズ比較
サービスシューズのサイズ選び

サービスシューズのサイズは先ほど書いた通り
- N(ナロー) =細め
- R(レギュラー) =普通
- W(ワイド) =太め
の3種類から選ぶことになりますが、 デッドストックのものも含め一つ一つでかなり履き心地に違いがあります。
僕自身、サービスシューズを購入しに古着屋さんに行った際、自分のサイズにあったサービスシューズを試着したところ、かなりきつくて履けず、同じサイズ表記の別のサービスシューズを履いたらぴったりだった経験があります。
また、一足ごとに靴の雰囲気も異なります。古い年代の靴ですから、つま先の反り具合、レザーソールの経年変化など、実際に目で見て選ぶのがおすすめです。
オンラインでサービスシューズを取り扱っているお店も多いですが、個人的には実際に試着して購入するのが一番良いかと思います。